交流サイト(SNS)上の非対面で著名人らをかたって投資に勧誘する「SNS型投資詐欺」と、東アジアなどの海外居住者を装って相手に恋愛感情を抱かせる「SNS型ロマンス詐欺」の静岡県内の被害認知総額(暫定値)が、1~4月だけで計8億円(計39件)を超え、昨年1年間を早くも上回った。20日の定例記者会見で静岡県警の水嶋春彦生活安全部長が説明した。今後は4カ月ごと更新した直近の被害状況を速やかに公表していくとして、「情報の発信とともに、企業や行政と連携した注意喚起や啓発活動を徹底する」と強調した。 投資詐欺は7億2732万7千円(30件)、ロマンス詐欺は1億3831万3千円(9件)。1件当たりの平均被害額は特殊詐欺の約11倍に上るとされる。だまされたと気付くまでの期間が長いのが共通の特徴で、投資型では最長で205日間、詐欺と気付かなかった被害者もいるという。 投資詐欺の被害者は40~60代が9割を占める。犯人との最初の接触機会で最も多いのがインスタグラムで全体の約3割。次いでLINE(ライン)、フェイスブック。接触後、被害者の9割以上が犯人の「個人LINE」へと誘導された。 ロマンスは20~30代にも被害者がいて、3分の1がマッチングアプリで最初の接触を受けた。投資型と同様に個人LINEに導かれる手口。被害の約8割の詐取名目が「投資」だった。 水嶋部長は「そもそも投資は証券会社を通してやるもの。個人名義への振り込みなどの指示は詐欺」と呼びかける。被害に気付いてから警察に相談するまでの平均期間が約1カ月と長いことも被害拡大などにつながっていると捉え「決してためらわず、すぐに家族や警察に相談を」と求める。